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オペラ歌手江口二美(えぐちつぐみ)の日々のいろいろ

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tsuguminae

Author:tsuguminae
ご訪問ありがとうございます。東京在住のオペラ歌手・声楽家の江口二美(えぐちつぐみ)です。
15年分のブログを引き連れてお引越しすることが出来
ず、2021年4月からこちらで新しくスタートしています。2021年3月までのブログは「旧」に残しています。
http://tsugumi-e.jugem.jp/

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オペラ『うりこひめの夜』

3/8~3/10 ブルーアイランド版オペラ『あまんじゃくとうりこひめ(林光)』『うりこひめの夜(青島広志初演)』が終演しました。


6公演ほぼ満席で多くのお客様にご来場頂きありがとうございました。いただくご感想から、暗い話題も多いご時世に、少しでも日常を忘れられる時間になった気がしています。舞台人としてとても嬉しいことでした。


個人的には、コロナ感染の後遺症がなかった事がなによりも救いです。大所帯の全員にご協力をいただくこととなりましたが…歌える状態になって本当によかった…ただただ安堵です。


『うりこひめの夜』この新作には楽譜上(音符として)で「ここで笑いをとるぞ」というBI氏の意志がハッキリ見える箇所が何箇所もありました。音符としての笑いの取り方は、パロディも含めて抜群のセンス。
そのままでじゅうぶんに面白いのに、そこにある意味での小劇場的な要素で演出されていくので、ブルーアイランド版らしい舞台になっていくのですが。。。
その笑いとは別に、オペラ冒頭からずっと、能力を失いかけているうりこひめの苦悩がありました。

自分の前に何人の少女が殺されていったのか。自分にももうすぐその時期がくる。諸星大二郎さん流ブラック・メルヘン…

誤魔化して神託している時、あまんじゃくに自分のことを話す時、精霊やモノノケ達から情報を引き出そうとする時、ずっと、とても切なかった。
最後は"魂だけで飛び続けていると二度と自分の体には戻れないぞ"と山父に忠告されるがそれでも清丸さまのいる佐渡へ向かって飛ぶと決断をする。意志を貫くことに晴れ晴れすると共にやはり切なかった。
最後、風になって消えてしまうんですよ、舞台上からもいなくなる演出でしたし。
原作はもとより音楽にもそう書かれていて…ブルーアイランド氏は「黒蜥蜴」や「S公爵夫人」「ペールの大冒険」「モーツァルト」「青い鳥はどこ?」などにも共通して幕切れに切なさを書く天才だとも思います。それまでのドタバタがなかったかのように切なさに包まれる音を書かれるんですよね。















来年は、わたしは宇宙人の役だそうですょ、あはははは…衣裳が自作という団体なのでそこが心配。ま、来年のことですから後から悩みましょう。








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