
全10公演(私はうち5公演)の巡回公演が終了。千葉、鹿児島、熊本、長崎、佐賀、福岡をまわりました。「てかがみ」と同じミラマーレ・オペラが採択された公演です。生徒さん参加もあり、リハーサルも一緒に出来、去年と一昨年から限りなく元の巡回公演のスタイルに戻ってきた事が嬉しい変化でした。
後半5公演組は熊本入りして合流、前半組と入れ替わりはキャストの4名とピアニスト1名でした。通しの方は2週間!長いツアーだったと思います。

初役だったせいと、ツアースタイルがこれまでの別の他演目とは違っていたので慣れず、精神的にも肉体的にも「いっぱいっぱい」でした。やっとブログを書けます。
とにかく初役ばばさまは手強かった!まぁ、これに尽きます…。しかし収穫も大きかった。
基本的に座っているか、膝立ち、膝歩きだったので、これまで目標としてきている舞台での立ち姿は役に立たずでしたが、身体の向きや、動くタイミング、スピードなど普段の何倍も考えることになりました。年齢感覚だけでなく、そこからキャラクターや心情が伝わる動きにどうするか、胃が痛いほどでした。
また、基本的に目をつぶっている事になったので、距離感や方向感覚など全集中で察する事になりました。目をつぶっていても光の方向は感じられるようになったし、耳をすませていると足音や気配で相手がどこにいるか感じられたし、視覚が役に立たない中で得るものは大きかった。
6畳ほどのおうちは手を伸ばして数歩膝歩きすれば、お茶も淹れれるし、神棚にもいける、自分の定位置のお座布団が中心にあってそこが起点にもなった。
まぁ、もちろん、時々薄目をあけて決まった座り位置を死守せねばならなかったり、舞台から落ちないように端っこまで行かねばならなかったりはしますし、薄目でどうぞって事なので完全につぶるのは私の勝手だったんですけど。
あとは肝心の歌。前任のメゾソプラノ二人の映像や、ダブルキャストのメゾソプラノプリマ森山京子さんと、無意識に比較し、真似しようとした自分がいました。どう足掻いてもメゾソプラノさんの厚みのある中低音はならないのに。
ある時点で吹っ切れて、私が歌う「ばばさま」の方向に舵を切り直せたのでした。
そんなこんなの、ブログも書く余裕のない奮闘でした。


いい仲間、スタッフさんに恵まれて、再演が有れば絶対歌いたい役となりました。
オペラ歌手らしい日々、相当疲労していますが、幸せな疲労です。ありがとうございました。
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